新年を迎え、皆様お身体の具合はいかがでしょうか?今回は「お年寄りに起こりがちな肺炎(誤嚥性肺炎)」について詳しくご紹介致します。気づかないうちに肺炎にかかってしまうことがあります。ご注意下さい。

 

    食べ物やだ液の「誤嚥」などで口の中の細菌が肺に入っておこる肺炎です。
食べ物などが気管に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。お年寄りの場合は、誤嚥によって肺炎が起こることがあります。これを「誤嚥性肺炎」と言います。「誤嚥性肺炎」でも、通常の肺炎と同様、「38℃以上の高熱、激しいせきや痰」などの症状が現れます。ただし、お年寄りの場合はこうした症状が現れないこともあるため、「元気がない」「食欲がない」「息切れがする」などの症状がないか、周囲の人が注意するようにしましょう。
特に息切れがする場合は、酸素不足が起こっている可能性があるため、至急医療機関を受診してください。


    のどからは、肺に通じる「気管」と、胃に通じる「食道」という2本の管が通っています。通常、食べ物は「気管」ではなく「食道」に入ります。これは食べ物がのどの奥に進むと、脳に信号が伝わり、脳から気管の入り口を塞ぐ指令が出ているからです。
しかし高齢になると、食べ物がのどにあるという信号や、気管を塞ぐ指令の伝達がうまくいかなくなり、食べ物やだ液が気管に入ってしまいます。すると、食べ物やだ液に含まれている細菌が気管から肺に入ることがあります。このような機序で肺に起こる炎症が「誤嚥性肺炎」です。
原因となる細菌はだれでも口の中にもっている「常在菌」です。「常在菌」には、「肺炎球菌」のほか、酸素の少ないところで繁殖する「嫌気性菌」も多く含まれています。「嫌気性菌」はプラーク(歯垢)や舌の表面についた汚れ(舌苔)にすみつきます。また、虫歯や歯周病のある方ほど細菌の数が多くなります。



誤嚥は食事のときだけに起こるのではありません。寝ている間に、だ液を誤嚥したり、胃液が食道を逆流して、気管に入ることもあります。食事中の誤嚥は自覚できますが、睡眠中は気づくことができません。実際には、「誤嚥性肺炎」の多くは睡眠時の誤嚥によるものなのです。

「誤嚥性肺炎」は高齢になれば誰もがなる可能性がありますが、特に次のような方は注意が必要です。「脳梗塞を起こしたことのある方」は、飲み込みやせきの反射が低下していることがあります。「寝たきりの方」は、だ液や食べ物の誤嚥のほか、胃液が逆流しやすくなります。
また、お酒を飲んで泥酔して眠ったり、強い睡眠薬を常用している方も、飲み込みやせきの反射が悪くなることがあります。虫歯や歯周病がある場合は、口内細菌の数が増えやすく、誤嚥で肺炎を起こしやすくなります。

 
治療の際は、まず誤嚥性肺炎か、それ以外の肺炎かの見極めが重要になります。その見極めは、主に問診で行なわれます。患者さんが高齢の場合、「ふだんからむせているか」など、日常の誤嚥の状態や、「脳梗塞を起こしたことがあるか」など、誤嚥性肺炎を起こす下地になるようなことがないかどうかを聞いた上で、誤嚥性肺炎かどうか判断されます。
 

 

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